2021
04.08

電子レンジOKのうつわ

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日常的にうつわを電子レンジで使用してませんか?実はこれ注意が必要なので少しご紹介させて頂きます。

電子レンジは今や家庭の必需品。冷めた食事を温めるだけでなく、テレビや雑誌で電子レンジを使った調理方法を紹介するなどその使用方法も様々になっています。また、いろんな機能も充実していてとても便利ですよね。

でも陶器や磁器のうつわは電子レンジの使用中に破損(破裂することもあります)する場合があり注意が必要です。また、物によってはスパークを起こす場合も有ります。いろんな事例をSNSを調べるといろんな報告を見ることができますが、ケガや火災の原因になる可能性もありますので次に紹介する点にご注意ください。

目次

陶器(土物)のうつわはレンジで使用しない

陶器の多くは糸底から見える土の色が黒や褐色で粒子が荒い事が多いです

陶器は原料の特性でほとんどの製品で吸水性があります。ですから、陶器のうつわは普通に使用しても生地に多少の水分を含んでいます。洗浄など水に付ければなおさら水分を含みます。また、料理を盛り付ける前に水に浸して汚れが入り込まないように目止めしたりする場合もあると思います。この陶器の生地に含まれた水分が電子レンジのマイクロ波によって急激に高温になり、部分によって微妙に膨張したりすることがあります。この膨張により内部の歪みが生じてひびが入ったり、割れたりすることが有ります。また、極端な場合は含まれた水分が水蒸気爆発の様な現象を起こして破裂する場合も有ります。本来やきものは焼成されて水分を含まないのでマイクロ波によって熱せられませんが、水分が付くことでこの様な現象が起きる事が有ります。この現象は頻繁に起きるわけではありませんが、ケガや破損の危険性がありますので陶器の電子レンジでの使用はお勧めしません。

磁器のうつわは偏りに注意

磁器は土が白く叩くとキンキン、カンカンと高い音がします。色が白くても陶器の場合もあります。

磁器のうつわは基本的に吸水性が無く、陶器のうつわの様に破損したりする事は少ないです。しかし、まれに磁器でも電子レンジで使用中に破損する事があります。これは料理や食材を温める際にうつわの上で塊になったり、偏ったりした場合に起きることが多いです。電子レンジは水分をマイクロ波によって温めるのはご存じのとおりですが、塊になったり偏ったりしているとうつわの一部分だけが急激に温まってしまいます。そうすると陶器の場合と同様に部分的に膨張し内部に歪みが生じてしまい破損したりしてしまいます。できるだけ均一になるように盛り付けるか、ラップをしたりして部分的に高温にならないようにご注意ください。

上絵(赤絵)のうつわもご注意

上絵のうつわはガラス成分の多いベースに鉱物等の顔料を混ぜた絵具を一旦本焼成したものに絵付けして800℃以上で焼成して焼き付けます。この絵具とやきものの間や絵具自体に水分が入り込み、加熱されることでまれに絵具が剥離する事が有ります。絵付けをできるだけ長く、美しいままで楽しんで頂くために電子レンジでのご利用は控える事をお勧めします。

金属を含む上絵のうつわは厳禁

僅かな量でも確実にスパークします。

金属の容器やカトラリーは電子レンジで使用できない事はよく知られていますが、うつわにも少し注意して頂きたいものが有ります。それは金などの金属を含む絵具で絵付けされたうつわです。その様なうつわを電子レンジで使用すると放電によるスパークが発生します。電子レンジが焦げたり火災の原因になったりしますのでご注意してください。絵付けが金属かどうか見分けられない場合は、ピカピカして金属っぽい柄や色が付いているものは全て使用しない事が無難です。

電子レンジを便利に楽しく使うために

食器を購入する時に商品の裏面やラベルを見ると電子レンジOKと表示が有ります。これは、磁器で上絵付をしていない商品に表示されている事が多いようです。電子レンジOKという表示には明確な基準が無く、メーカーや商社の経験則や販売店の独自基準で設定されています。大手家具量販店にも問い合わせてみましたが、「電子レンジで温めが可能という単純な意味です」との回答でした。ほとんどの場合、問題はありませんが、上でご紹介した現象が起きる可能性もごくまれにあります。この様な危険性を知っておいていただくだけでケガなどを防ぐ事になると思いますのでご紹介させて頂きました。また、これらやきものの特性とは関係なく事故の原因を防ぐために電子レンジメーカーに付属された使用上の注意をよく理解して便利な電子レンジ生活を楽しんでください。

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